哲学の論 Presented by論者の盲点

本来、哲学は「容易なもの」のはずであった。

最も基本・基礎に位置する学問。
それが日本で妙に高尚だったり、または全く取るに足らない机上の空論として扱われるようになってしまったのは、この言葉(哲学)を作った西周のせいともされる。

私ごときがおこがましいがはっきり言って、名が体を表していない。

西の外国語由来の造語は数多く有り、そのどれもが西の知性を誇示せんがごとく「格式高い」。

殊に哲学・数学に関しては、あえて苦手な人間を作ろうとしたかのようだ。

芸術の敷居を高くしたのも、西。

遍く知識を人に与えようとするよりも、当時一部の人間だけのものであった日本の「学問」を、彼らの物として保持せんとする特権意識を感じさえするようだ。

彼の造語は「当時の知識人」に受けて確かに世の中に広く浸透はしたが、「今の衆人」の学問アレルギーは西のその姿勢に一端の責があろう。

そうでなければ、あるいは私達日本人の知性にはphilosophy・artというものが理解できるように内包されていないのかもしれない(勿論そんな事はないはずだ)。

いずれにしても哲学は元来、単に「philosophia…philo-=愛する、sophia=知」を意味し、知識全般を扱うもので、西洋(例えばフランス・アメリカ)では必修科目。

それが日本では、「思想」に偏り、基礎的な学問から「浮いて」しまったのだ…。

前置きが長くなったが、その哲学を(他の先進国のように)身近に引き寄せよう、というのが本稿の目的である。
といって、難しい話は何もない。
東大教授、梶谷真司も言う。哲学的対話に必要なルールは8つだけ、と。それは以下の通りである。

  1. 何を言っても良い
  2. 否定しない、茶化さない
  3. 聞いているだけでも良い
  4. お互いに問いかけることを大切にする
  5. 知識ではなく、自身の経験で話す
  6. 話がまとまらなくてもいい
  7. 意見が変わっても良い
  8. わからなくなっても良い

以上を実践するだけでいいのだ。
会社でこの哲学対話を普段から行うことで、会社の風通しが良くなり、アイデアもよく産まれるようになるという。
是非、御社でも社員間で(飲み会の代わりにでも)実践してみてほしい。

哲学とは、本来これだけの話なのだ。

そして哲学は、経営にも大きく関わる学問だ。

なぜなら日本の企業は、どんな企業でも、まるで杓子定規に経営哲学・経営理念を持つ。

あなたの会社も、おそらく持っているかもしれない。

それでいてその根本、「哲学」の意味はわからない・興味がない者がほとんどとは、あまりにも「とりあえず型にはまる事が好き」な私達日本人らしい話ではないか。

「ただ生きるのではなく、善く生きるのだ」と哲学の祖、ソクラテスは言った。

それから2000年以上たっても全ての哲学者が変わらずに思い巡らせているのはその事で、哲学とはただそれだけのものなのである。

そしてもしあなたが善く生きることを望んでいるのなら、あなたもまた哲学者なのだ。

哲学と生きよう。

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